自分の「本当の願望」に気づくことで、悩みが消えてなくなる
ですので、私はまずこう質問しました。
「将来の望みは何ですか?」
その役員さんは、能力があり若くして出世した方ですので、「将来は社長になりたい」とのことでした。
そして、お世話になった人たちに恩返ししたり、地域社会に貢献していきたいと考えていました。
続いて、(2)の戦略について質問します。
「社長になるために必要なことは、何ですか?」
彼は営業担当の役員でしたので、まず優先されるのは、お客様との関係を強め会社の営業成績を上げることでした。
そして、(3)の現状について質問します。
「では、部下があなたの言うことを無視するということと、あなたが社長になるということは、直接的に何か関係がありますか?」
その役員の方は、「あ、ないですね……」と答えました。
このとき、1年半も彼を悩ませ続けていた難題は、解消されました。
このように質問によって視点を少し変えただけで、長年の悩みも一瞬でなくなってしまうものなのです。
この場合は、私がその役員の方へ質問することで問題が解決できましたが、皆さんには、これを自分自身でできるように自問力を身につけていただきたいと思います。
一般社団法人コーチングカレッジ 代表理事
1971年生まれ。立教大学卒業後、「文化の異なる人々の架け橋になりたい」と伊藤忠商事に入社。10年間、不動産事業、貿易事業、海外植林事業、コンビニエンスストア事業に関わる。2004年、伊藤忠商事を退職しイベント企画運営会社を設立。心理学とビジネスに関するセミナーを年間200回以上主催。石原明氏、棚田克彦氏、マイケル・ボルダック氏などの講座をプロモートする。無名講師をプロデュースして、短期間でトップ講演家・トップコーチ・30万部ベストセラー作家・年収9000万円にするなどの手腕には定評がある。
スピードチェンジ・ジャパン株式会社にて800人の認定コーチを輩出し、一般社団法人コーチングカレッジにて600人の卒業生を育成。セルフプロモートにより自身も人気コーチとなり一時は申込が9ヵ月待ちに。
分かりやすいセミナーと親しみやすい人柄で、経営者から会社員、主婦、学生まで幅広く人気がある。2015年9月に悪性リンパ腫を宣告されたが、約半年間抗ガン剤治療に専念し、2016年春に寛解。ガンを「ギフトだった」と言い、さらなる幸せと発展に生かしたコーチング技術は、逆境にある人たちを励ましている。
訳書に『目標達成する技術』『人を動かす技術』等(累計30万部)がある。
※次回は、2月8日(水)に掲載します。