クレームが100件もあったのに、1年間でゼロに!? 会社の評判だけではなく、家族の仲まで修復させた感動ストーリー。今日からあなたも、自分のためではなく、まわりを幸せにするために「笑顔」になりましょう!

「顔グセ」で麻痺まで治る!?

  私はこれまでに、「損な顔グセ」をなおしたことで人生を変えた人たちに、たくさんお会いしてきました。

  そのなかでも、最も印象に残っている方が、あるサラリーマンのお父さんです。

  一部上場企業のトップセールスマンだったその男性は、5年前に脳梗塞で倒れてしまい、それがきっかけで、右半分の顔に麻痺が残っている状態でした。

「こんな顔で営業を続けていられない」と、すっかり塞ぎ込んでしまい、会社での居場所を失い、次第に、家族とのコミュニケーションも取れない日々を送っていたそうです。

  そのため、仕事は無表情でも許されるだろうと思われたタクシーの運転手に転職。

  しかし、彼の思いとは裏腹に、その会社では「社員の印象力」を上げる研修を導入していました。

  その講師として訪れたのが私でした。

  全社員500人いるその会社には、毎月本社に寄せられるクレームが当時約30件……。

   その半数である約15件が、その方への苦情でした。

  内容は彼の行為に対してではなく、顔についてばかり。

「顔つきが悪い。目を合わせなかった。そっぽを向いていた」

  など、どれもお客様に顔を見られたくないために、無意識でやっていた行動でした。

だまされたと思って、やってみてください!

  最初はいろいろな方法を試して、笑顔が出せるように努力したそうですが、どれをやってもうまくいかずに、次第に心を閉ざすようになってしまったそうです。

  そのため、私のトレーニングに対しても非協力的で、目も合わせてくれません。

  それでも私は、

「自宅でもやってくださいね。お風呂に入ったときには楽しい気持ちでぜひ!とりあえず2週間でいいですから。私にだまされたと思って。お願いします、トレーニングしてみてください!」

  と必死でお願いしました。

  でも、その方の心は閉じたまま。

  数日後、その方は突然、私を外に連れ出し、睨みながら怒鳴ったのです。

 「あなたに、私の顔をなおせるのか!」

「とにかく2週間やってみてください。それでも、何も感じなかったら、私は、この会社の企業研修を辞退させていただきます。本気です」

  とお伝えいたしました。