現実にようやく目を向け
韓国主要紙が主張を転換
北朝鮮が11月28日、ICBMを発射したことを受け、米国が海上遮断の強化に乗り出している。これに対し韓国の大手新聞は、北朝鮮船が逃避行動を取ったり、抵抗したりした場合に、偶発的な軍事行動につながる可能性があるとの懸念を強めている。
韓国の国民は、北朝鮮との軍事衝突が韓国に壊滅的な被害を及ぼす恐れがあることから、あえてこうした問題には目を背ける傾向があった。韓国で聞かれる多くの意見は、「核ミサイルは韓国に向けられたものではないので、交渉で解決すべき」というものであった。
したがって、今回のような海上遮断に対して、これまでであれば反対していただろう。しかし、韓国の大手紙の論調は、事態の深刻さを率直に認め、いかに対峙すべきか論じ始めたという点で注目に値する。
トランプ大統領が韓国に訪問した際、ウォールストリートジャーナル(WSJ)が「(韓国は)信頼できない友人と批判した」と伝えたことに対し、韓国メディアが懸念を強めたと言うこともあるだろう。
一方で、北朝鮮の核・ミサイル問題の深刻さを認めず、逃げ腰の姿勢を続けている韓国政府に対する批判も強めている。北朝鮮の核問題解決のためには、韓国は米国の足元をすくうのではなく、緊密に協力していくべき、さらにこれまで安保理常任理事国、特に中国が怠慢であったことを批判している。これまで、中国批判には消極的だった韓国のマスコミが、やっと現実に目を覚ましたようである。