そんな佐川氏に批判が集中したが、その後、間髪入れずに、理財局の職員が学園側に、8億円値引きの口実として「『トラック何千台も走った気がする』という言い方をしてはどうか」との、口裏合わせを要求したことが発覚。今度は、太田充現理財局長が釈明に追われる姿で、テレビは一色になった。

佐川氏の立件見送りのタイミングで
福田事務次官にセクハラ疑惑

 そしてその直後、大阪地検特捜部が佐川氏の立件を見送ったニュースが報じられたと思ったら、歩調を合わせたかのように、福田淳一現財務次官の女性記者へのセクハラ問題が『週刊新潮』で報じられてしまう。

 記事によれば、福田次官は「抱きしめていい?」「胸触っていい?」「予算通ったら浮気するか」など、完全にアウトなセクハラ発言をしているものの、“実力行使”には出ていない様子だった。

 そのため、この段階では正直、“注意”で終わりだろうと考えていた。麻生太郎財務大臣も、記者懇談会の席で、「嫌だったら、女性(記者)が逃げちゃえばいいだけの話だ」と述べるなど、あまり問題視している様子はなかったからだ。

 ところが、被害を受けた女性記者が、録音していた音声を公開したことから、事態は一変する。週刊新潮の直撃インタビューに対して、「ふざけんなよ!」「訴えるぞ!」などと恫喝、激しく否定していた福田次官の態度に、女性記者が怒ったのだ。

 その後、福田次官からの聴取結果が財務省から出されたが、内容は、「私は、女性記者との間でこのようなやりとりをした覚えもない。音声データからは、発言の相手がどのような人であるか、本当に女性記者なのかも全く分からない。」と、全否定した上で、相手が「ホステス」であるかのように匂わせるコメントだった。

 仮に女性記者ではなく、ホステスさんだったとしよう。それならば、財務省事態がこれだけ逆風にさらされ、矢面に立っている若手に対して申し訳ないと思わないのかと私は問いたい。音声から伝わってくる福田次官のウキウキとした口調と、その内容に筆者は心底あきれたが、グラビア写真を見ると、かつての福田次官からは想像もつかないほど、げっそりと痩せていた。

 それこそ、次期次官が確実視されていた主計局長時代は、ベルトに腹の肉が乗っている様子から、宴席続きで疲れてはいるものの、エネルギッシュに“夜の政治活動”に勤しんでいる姿が見て取れた。いくら精神的に厳しい状況におかれているとしても、財務官僚全体に「襟を正せ」という空気が流れている中で、トップ自らが綱紀粛正を乱す大失態を犯していいわけがない。