横田由美子
令和4年度予算案で焦点の一つだった診療報酬改定は、医師や看護師らの人件費や技術料に当たる本体部分を0.43%引き上げる方針で決着した。この結果を日本医師会(日医)関係者は「完敗」だと言い、財務省側も「敗れた」と見ているようだ。日医・厚生労働省・財務省や官邸など、各所の思惑が交錯する中、岸田文雄首相が+0.43%を決断するに至る背景を探った。

10月の衆議院議員選挙では、日本維新の会が議席を大幅に増やした。議員に「ご説明」をする各省の官僚たちの間では、維新はすこぶる評判が悪いという。ただでさえ予算編成などで多忙な時期に、「お作法」を知らない同党の議員たちが追い打ちをかけているというのだ。各省の官僚への取材から、維新の不作法ぶりに迫った。

11月25日、原告である個人投資家・細羽強氏がユニバーサルエンターテインメント社の岡田元会長を訴えた訴訟の地裁判決が出た。その内容は、被告側に日本円で約20億円の支払いを命ずるという、原告側の「完勝」であった。原告側の弁護士は、この勝訴は「予想通り」だという。原告と弁護士の戦いを追った。

林芳正氏が第2次岸田内閣の外相に就任した。一部では、彼を「総理になる器」として次期首相候補に推す声も上がっているようだ。参議院から衆議院山口3区でのくら替え出馬に至った経緯や、彼を知る老政治家たちへの取材から、林氏に備わる「首相の資質」を探った。

自民党石原伸晃氏が衆院選で落選した。彼は「近未来政治研究会」(=石原派)の領袖である。大将が首をとられた以上、派内の求心力が大きく下がることは明らかで、今後は派閥の体をなせないと思われる。実は以前から、石原派の凋落(ちょうらく)の兆候はいくつも存在した。山崎拓元副総理による派閥創設まで遡り、石原派凋落の歴史を振り返る。

総選挙で自民党が劣勢との予測が報じられる岸田文雄首相。周囲を固めるのが、自身の出身校である屈指の名門・開成高校だ。同校OB初の首相となった岸田氏に対し、復権を狙う財務省は着々と布石を打つが、ここでも開成OBである同省官僚の存在が光る。

4月12日時点で「申請から2週間以内の給付は97%」――。経済産業省がこうアピールする一時支援金だが、筆者自身や周りの事業者は、申請しても一向に給付されず、コールセンターでも無責任な対応をされるばかり。昨年、持続化給付金で批判を受けた「再委託」に似た構図も存在し、中小企業庁が調査を開始した。

若いイケメンのオーナーシェフが切り盛りする、隠れ家風のおしゃれなバル――。オーナーは実は真の家主にさまざまなリスクを押し付けられて搾取され、新型コロナウイルスの感染拡大で受け取れるはずの政府の補助までピンハネされていた。悲惨な“名ばかりオーナーシェフ”の実態は…。

安倍晋三総理大臣が辞任すると発表した28日、後任となる総理の座をめぐる戦いの他に、もう一つの戦いが始まった。霞が関における官僚たちの権力争いである。安倍内閣に重用されて、権勢を誇ってきた経済産業省を、官僚ヒエラルキーの頂点から引きずり降ろそうと、財務省をはじめ各省庁が動き始めた。

日本医師会会長選挙が6月27日、投開票を迎える。日本全体がコロナ禍による緊急事態に陥っていた中で権力争いを演じたことから、世間では眉を顰める向きも多かった。そんな会長選挙の内幕をレポートする。

河井克行前法相と案里議員が公職選挙法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕されたことで、安倍政権への逆風は猛烈な勢いとなりそうだ。そしてその道ずれとなるのが、秘書官や補佐官を出すなど、政権に深く食い込んできた経済産業省である。

2009年に「小沢ガールズ」として初当選した三宅雪子さんが亡くなった。当時、「ガールズ」議員たちは客寄せパンダとして選挙戦に利用されたが、当選後はロクな育成もされずほったらかしという扱いを受けていた。三宅さんの足跡を考えるにつけ、女性議員を選挙に利用するだけ利用して、当選後はきちんと活用できない政治システムの罪は重いと感じる。

9月に控訴審判決が言い渡された、愛知県の三つ子二男虐待死事件。ただでさえ育児は大変な労働だが、とりわけ多胎育児の過酷さは、想像を絶するものがある。

40歳の若さで乳がんで死去した、自民党の宮川典子衆院議員。「日教組のドン」に戦いを挑んで負けた後、衆院選で初当選し、 実力で地位を築きつつあった。「容姿や知名度に頼らない女性議員」だっただけに、その早すぎる死が残念だ。

「16人の首相に仕えた男」として知られる、自民党政務調査会の田村重信氏。田村氏の知る大物政治家の素顔とともに、昭和から平成、令和と移り変わる時代の中で、政治の世界はどう変わってきたのか、話を聞いた。

自民党政務調査会で16人もの首相に仕えてきた田村重信氏。首相たちの素顔を知り尽くした田村氏は、「安倍一強」が実現した背景には、いくつかの要因があると語る。

アルコールや薬物などに依存して体を壊し、人生の終末期を医療刑務所で過ごす受刑者もいる。生活保護受給だけでは、彼らが自立するのは極めて難しい。今回、そんな受刑者の1人、たかしさん(仮名)に話を聞くことができた。

世界最大規模だった仮想通貨取引所、マウントゴックスが経営破綻した事件から5年。CEOだったマルク・カルプレス氏に、相変わらず流出事件が相次ぐ仮想通貨業界の現状と未来について語ってもらった。

知的障害と性同一性障害を併せ持ち、実の両親からも理解されずに生きてきた男性がいる。福祉にもつながれず、生活をするために万引きや窃盗を繰り返してきた。福祉と司法、その間に落ちて適切なケアを受けられずもがいてきた方に話を聞いた。

ラブストーリーはもちろん、あらゆるジャンルのドラマでヒットを飛ばしてきた脚本家の大石静氏。ドラマ離れが進んでいるといわれる中、テレビ局はどう変わっていくべきなのか、そして30年間も第一線で活躍してこられた秘訣を聞いた。
