佐川氏喚問で「呪われた大蔵入省57年組」の評再び3月27日、森友学園をめぐる財務省の文書改ざん問題について、参議院予算委員会で証人喚問を受けた佐川宣寿・前国税庁長官(左下) Photo:AP/アフロ

「呪われた57年組、というらしいですな」。学校法人森友学園への国有地売却に関して決裁文書を財務省が改ざんした問題で、佐川宣寿・前国税庁長官が証人喚問に立った話題になると、ある大手銀行OBはそう語った。

「57年組」とは、旧大蔵省(現財務省)に1982(昭和57)年に入省した官僚たちを指す。前出の大手銀行OBは「昔、57年組で逮捕者や自殺者が続けて出たからそう呼ぶらしいが、佐川さんも彼らと同期。ここでまた57年組が脚光を浴びるとは」と、驚いた。

 90年代、57年組は“悪目立ち”した。92年、その一人が30代前半の若さで自ら命を絶ったことは不幸な出来事だったが、98年に57年組の2人が相次いで不祥事に関わったことが、「呪われた」と評される直接的な原因となった。

 その一人は、「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」とも呼ばれた大蔵省の接待汚職事件において、収賄容疑で逮捕された。当時、多くの大蔵官僚が過剰接待を受けていた中で、数少ない逮捕者となった。

 もう一人は、96年に第一生命保険から携帯電話を借り、数十万円に上る利用料金を払わせていたことが発覚。懲戒処分の手前である訓告処分を受けた。その後、98年に過剰接待問題で退職。会食接待を150回以上受けたことが大蔵省の調査で判明している。

 そこに新たに加わったのが、森友学園問題で矢面に立たされている57年組の佐川氏というわけだ。