EUの盟主・ドイツが
トランプのターゲットに

 欧州の中で、トランプが特にターゲットにしているのは、ドイツだ。

 <とりわけトランプ氏が標的とするのは欧州最大の経済大国ドイツだ。ドイツの国防費はGDP比約1.2%で、24年までの引き上げ目標も1.5%にとどまる。>(同前)

 欧州最大の経済大国ドイツ。既述のように同国のGDPは、世界4位である。しかも、EUにおけるドイツのパワーは圧倒的で、「EU=ドイツ帝国」と主張する人もいる。名実共に「EUの盟主」と言える存在だ。

 フランスの人類学者エマニュエル・トッドは、「ソ連崩壊」「米国発金融危機」「アラブの春」などを予言したことで知られている。そんな彼も、「EU=ドイツ帝国」という意見の持ち主で、『「ドイツ帝国』が世界を破滅させる」(文春新書)という本まで出版している。

「EU=ドイツ帝国」という視点で見ると、そのGDPは世界の22%にもなり、「米国と並ぶ大国」ということになる(EUのGDPには、英国も含む)。こんな強大な国が、「安保にタダ乗りしている」と、トランプは不満なのだ。

 トランプが欧州を批判するもう1つの理由は、ロシアとドイツを結ぶガスパイプラインプロジェクトだ。

<トランプ大統領は、ロシアからドイツに天然ガスを供給するパイプライン計画「ノルド・ストリーム2(Nord Stream II)」に言及し、「ドイツはロシアによる捕らわれの身となっている。膨大なエネルギーをロシアから得ているからだ」と発言。
続けて「世界中の誰もが、このことについて話している。われわれがドイツを守るために数十億ドルも払っているというのに、ドイツは数十億ドルをロシアに支払っていると」「ドイツはロシアに完全に支配されている」と語った。>
(AFP=時事 7月11日)