ご自分の経験を振り返ってもらえばわかると思うが、人生で一番英語がよくできた時期はいつだろうか?「大学受験直後」と答える人が多いと思う。

 鉄は熱いうちに打て、という。国際学部の学生(一期生)に関して言えば、留学前に受けたTOEICの平均点は469点。留学して戻った後は平均700点になり、800点以上を取る学生も大勢いる。

 戻ってきた学生たちを見ると、非常に積極的だし、自分の思っていることや考えをストレートに主張する。それがいいか悪いかは別として、ほかの学部の学生たちとは明らかに違う。

 正直に言うと、留学に関して私は当初、一気に送り出すのは300人が限界だろうと思っていた。500人も行かせれば、必ず、途中でリタイアする者が出てくる。内心、最初に送り出した学生が帰ってくるまではヒヤヒヤだった。

 ふたを開ければ、一期生で留学途中に帰国した学生はわずか4人。もちろん、その間、定期的にレポートを出してもらったり、動画を送ってもらったりするなど、ケアもしている。

 振り返ってみると、一期生から500人全員を海外に行かせたのは大正解だったと思う。1年で500人ということは、2年目には1000人、4年たったら学部の2000人全員が海外留学経験者ということになる。

 2000人もいれば、学内でもかなりの勢力になる。その子たち一人ひとりがパワーを発揮してくれれば、大学全体の雰囲気も大きく変わるだろう。規模の大きさは変化のスピードに関係してくるのだ。

“固定概念”をぶっ壊し続けても
「人間を育成する」本分を忘れてはならない

近畿大学広告「固定概念を、ぶっ壊す。」

 ところで、近大といえば「マグロ大学」のイメージを持つ人も多いだろう。これは32年もかけてクロマグロの養殖研究に諦めずに取り組んできた成果だと思うが、2014年1月3日に全国紙(関西版)に出した刺激的な広告の影響も、大きかったかもしれない。

 富士山を思わせる山の頂から巨大なマグロが顔をのぞかせるイラスト。そこに「固定概念を、ぶっ壊す」というキャッチコピーを添えた。「固定概念」という言葉は本来、日本語にはない。正しくは「既成概念」、もしくは「固定観念」だ。

 しかし、そこをぶっ壊すという意味で、私たちはあえて正しくない日本語を使った。

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広報の案には正直、ぎょっとした

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