失敗ウェルカムの論理
当社には、阪神タイガースをこよなく愛する「ヒルトップ阪神タイガース部」があります。
2003年に阪神タイガースがリーグ優勝したときのことです。
ある社員が、勝手に阪神タイガース球団からライセンス契約を取ってきて、勝手に「アルミ削り出しの優勝記念モニュメント」をつくったことがありました。
私は内心、「オレはジャイアンツファンだから、タイガースが優勝したからって、なんやねん」と思っていたのですが、彼は、「これは売れます! ひとつ30万~50万円で売れると思います!」と自信満々。
おもいきって任せてみたところ、結果は……、1個も売れませんでした(笑)。
しかたないので知人に頼み込んで、「5万円」で買っていただきました。
優勝記念モニュメントの製作は、ビジネスとしては大失敗です。
けれど私は、叱るつもりはありません。
むしろ、彼の「勝手さ」を評価しています。
なぜなら、
「社員が自発的に考え、自発的に決めて、自発的に動いたから」
そして、
「アルミの削り出しの優勝記念モニュメントをつくるためのノウハウが残ったから」
です。
当社は、社員の失敗に「寛容」です。
失敗してもいい。
失敗しても失うのは、時間と材料代だけです。
失敗ウェルカムです。
なぜなら失敗は、「新しいことにチャレンジした」ことの証だからです。
今回、年間2000人の見学者が訪れる、鉄工所なのに鉄工所らしくない「HILLTOP」の本社屋や工場、社内の雰囲気を初めて公開しました。ピンクの本社屋、オレンジのエレベータ、カフェテリア風の社員食堂など、ほんの少し覗いてみたい方は、ぜひ第1回連載記事をご覧いただければと思います。