コネティカット州スタンフォードで人材採用に携わるミーナ・ディムヤンさん(33)は、行きつけのカフェで3ドルのコーヒーを注文する時、あることに少しの後ろめたさを覚える。店員がディムヤンさんのクレジットカードをスワイプし、店の「iPad(アイパッド)」を彼に向ける。そこで気まずい瞬間が訪れる。画面上の文字はディムヤンさんにカードの署名を求め、支払いたいチップの金額を聞く。18%、20%、25%、任意の金額、「ノーチップ」から選ぶのだ。ディムヤンさんは20%を選ぶ。「真ん中のボタンを押せば、後ろに並んでいる人たちから少ないと思われない」からだ。米モバイル決済サービス会社スクエアなどのタブレット連動型クレジットカード読み取り機を使うパン屋やコーヒー店、フードトラックを訪れた客が、この儀式に戸惑うことはよくある。当の店員や後ろで待つ客全員が見ている前で、チップの金額を決めるようにタブレットから求められるためだ。