「埼玉は都会だ」と認めることで
魅力度はアップする可能性も

 そうした状況に反して埼玉県は現在、県のPRの一環として、河川面積日本一から「川の国埼玉」を打ち出したり、うどんの生産量全国2位から「埼玉を日本一のうどん県にする会」が発足したりしている。しかし、今のところ「自然の豊かさ」や「食がおいしい」というイメージが周りからも出身者からも持たれていないのは、これまでに紹介した調査結果の通りだ。

 確かに川越には小江戸のイメージ、秩父・長瀞には自然豊かなイメージがあるものの、近年人気を延ばしているのは鉄道博物館のような場所であったり、埼玉県として想起されることが多いのはさいたま新都心のような都会的な新興の街である。

 田中さんによると、「以前は田舎的な魅力をアピールすることが多かった千葉県は近年、東京ディズニーランドのみならず、さまざまなアニメや漫画の舞台になったことで『アニメの聖地』を打ち出し、現在は都会的なイメージへと変貌を遂げた」というように、千葉県は方針転換が功を奏したせいか、都道府県魅力度ランキングで2016年20位、17年19位、今年は16位にランクアップしている。

「埼玉は決してダサい(田舎っぽい)場所ではなく、都会である――。それを明言できていないのが埼玉の最大の問題です。埼玉は東京と比較して“ダサい”と言っても、全国的に見ればそんなことはなく、多くの日本人にそのイメージは通用しません。実際は都会なのに、『埼玉は田舎だ』と自虐的に言っていても、どちらのイメージにもつながず、イメージが空回りするだけ。今後はもっと割り切って、埼玉はすごく都会な場所であることを打ち出せばいいのではないでしょうか」(田中さん)

 埼玉には教育や子育てがしやすく、生活も交通の便がいいという魅力があるのは今回紹介した調査結果の通りだ。これから埼玉県の魅力度を上げるために自分たちで「田舎っぽい」と自虐的に言うのを止め、もっと都会的であることを再認識して発信していけば、愛着度や自慢度も自然と上がっていくのではないだろうか。

(ダイヤモンド・オンライン編集部 林 恭子)