今年は国内航空線に相次ぎLCC(格安航空会社)が参入する“LCC元年”だ。
このLCCが得意としているのが、格安料金をさらに下げる各種キャンペーン。そして、ついに「1円路線」が登場した。
7月3日に就航を開始するジェットスター・ジャパンが、日時限定で売り出したものだ。
4月17日の正午から14時までの2時間限定で、9月5日~12月4日搭乗分の合計1万席を片道1円で売り出したのである。同社のサイトには2時間で13万アクセスがあったが、意外なことに一部の座席が売れ残った。
同様のキャンペーンは、ジェットスター・ジャパンに出資しているジェットスターグループの本拠地、オーストラリアでもこれまでに実施されているが、売れ残るというのは前代未聞という。
なぜ、日本では1円という破格の航空路線が売れ残ったのか。
まずは、知名度やSNSの普及率があげられよう。
LCCが仕掛けるキャンペーン情報は、インターネットやSNSを通じて瞬時に広まる。
ましてや2時間限定ともなれば、そうして情報を拾わなければ、取り逃がしてしまう可能性のほうが大きい。
日本においては、ジェットスターのfacebook会員は4.5万人、これに対してオーストラリアでは15万人だ。総人口は日本は1億3000万人弱だが、オーストラリアは2100万人強しかいない。人口におけるfacebook会員の普及率は、オーストラリアが140人に1人なのに対して、日本では2900人に1人という密度だ。
本拠地オーストラリアで行うのに比べ、キャンペーン情報は思いのほか拡散しなかったというわけだ。