指をさしながら相手に話すスーツ姿の男性写真はイメージです Photo:PIXTA

他人の成功に必ずケチをつける人や、実力とかけ離れた高い目標ばかりを語る人は、職場にも少なくない。態度は異なって見えるが、その背景には、満たされない承認欲求や受け入れ難い現実から目をそらそうとする心理が潜んでいることがある。そんな人たちの心の内を解説しよう。※本稿は、精神科医の片田珠美『生きづらさの正体』(宝島社新書)の一部を抜粋・編集したものです。

何にでもケチをつける人の
“正論”に要注意

 ある家電メーカーでは40代の男性社員が何にでもケチをつけるので、周囲は辟易(へきえき)している。たとえば、新しいプロジェクトを立ち上げようと頑張っている後輩に「どうせうまくいかないよ」「やるだけ時間の無駄」などと言う。そのプロジェクトがうまくいき、みな喜んでいても、「これが続くかどうかわからない」「次はそんなに簡単じゃない」などと水を差す。いつも他人の喜びを台なしにして、やる気をくじくそうだ。

 とにかく一言多く、何にでもケチをつける。そのため、せっかく喜んでいたのに、それをぶち壊されたように感じ、怒っている人が社内には多い。そんなことにはお構いなく、「がっかりしないためには最悪の事態を想定しておかなければならない。うまくいっているように見えるときこそ落とし穴があるのだから、用心しないと」というのが口癖で、本人は、自分がネガティブな面ばかり指摘することを悪いとは思っていないらしい。

 しょっちゅう他人の喜びに水を差し、顰蹙(ひんしゅく)を買っていても、本人の言によれば「あまりにも無邪気に喜んでいるから、問題点を指摘して、現実はそんなに甘くないことを教えてやっているだけ」ということになる。