低下するグラフPhoto:PIXTA

 小さなレストランのオーナーになったつもりで考えてみてほしい。事業を拡大したいと思っても、金利が高ければ再考するかもしれない。しかし金利が下がれば、借り入れにもっと前向きになるかもしれない。

 ところが、近所にある大手チェーンレストランも同じような水準の低金利で借り入れ、それ以上に大規模な事業拡大を行うかもしれない。それによって小さなレストランは顧客を奪われたり、閉店に追い込まれたりする可能性もあるのだ。

 過去20年くらいにわたり、そうした現象がさまざまな業界で繰り広げられてきた。プリンストン大学の経済学者、アーネスト・リュー教授とアティフ・ミアン教授、シカゴ大学ブース経営大学院のアミール・スフィ教授による新たな調査によると、米国経済全体の活力がそれによって弱められているという。

 金利が下がると、業界の大手は中小企業よりもはるかに有利に活用できるということが分かったのだ。これには大手の成長を加速させ、生産性を高めるという以外に、他社の追随を難しくするという影響もある。

 しばらくすると、中小企業は弱気になり、新製品や技術への投資をやめてしまう。すると、もはや競争に脅かされることがないほど巨大になった業界大手も投資を手控えるようになる。市場支配力が少数の大手企業にますます集中することで、開業を決断する起業家も減少していくだろう。

 その結果は、従業員1人当たり1時間当たりの生産高で測定される生産性の伸びの減速であり、経済全体の成長低迷である。