中国は11日、米当局より2日早く米航空機大手ボーイングの旅客機「737MAX」の飛行停止に踏み切った。こうした措置は2度にわたる墜落事故への対応というだけにとどまらず、航空大国として強めつつある影響力を行使するものでもあった。国際航空運送協会(IATA)によると、中国は2024年までに米国を抜いて世界最大の航空市場となる見通し。このためボーイングや欧州同業エアバスにとっては極めて重要な顧客だ。中国の航空会社は旅客数や路線数で世界有数の規模を誇るようになった。中国はこうした成長を背景に二大航空機メーカーへの影響力を強め、世界の航空業界でも新次元の影響力を手にしている。10日のエチオピア航空機の墜落を受け中国が翌日下した一方的な決定によって、航空会社13社が使用するボーイング737MAXの4分の1余りが運航停止に追い込まれた。専門家の間では、エチオピア航空の事故原因が解明されないうちに措置が下されたことについて、先走った動きだと驚きの声も上がった。共産党支配下にある中国航空当局は、これまで国際的な存在感が薄く、米連邦航空局(FAA)の指針を後追いするのが常だった。だが11日の当局判断によって、世界に影響力を誇示する姿勢が鮮明となった。