南北米大陸とアジア太平洋地域の国々を連携させる貿易合意「環太平洋パートナーシップ協定(TPP11)」における米国の国益の大半は2016年の離脱後に消滅してしまった。その貿易圏は今や、米国にとって頭痛の種になろうとしている。11カ国が参加し、「包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)」に改名されたその協定は2018年末に発効した。その影響はすでに出ているようだ。世界貿易全般が停滞しているにもかかわらず、ベトナム税関総局は11日、1-2月期の日本とカナダへの輸出額が前年同期比でそれぞれ11.2%増、36.7%増になったと発表した。協定の蚊帳の外に置かれた米国の農産物輸出業者は近いうちに打撃を受けることになるかもしれない。1-2月期の日本の牛肉輸入量は、冷凍牛肉の輸入量が51%の急増を示したこともあり、前年同期比で25%増となった。これにより特に大きな恩恵を受けたのがカナダとニュージーランドで、それぞれの牛肉の総輸出量は345%増、133%増となった。
米国産牛肉、日本の輸入制限あれば一層不利に
米国抜きで盛り上がる環太平洋貿易協定、不参加の代償
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