更年期世代の女性を対象にしたインタビュー連載を持ち、メノポーズ(更年期)カウンセラーという立場上、多くの更年期世代の女性の方のリアルな声を聞く機会がある。
そんな中、更年期世代の女性たちの意見がきっぱりとわかれるのは「夫もしくはパートナーに更年期の悩みや症状について話をするか」という質問に対する答えではないだろうか。
回答で多いのは、やはり「話さない」派であるように思う。その理由としては「どうせ話してもわからない」「理解する気がないから、話してもむなしい」「ろくに聞かないから」などがよく挙げられる。
対して、事細かに症状や体調を話す、という女性も少数派だがもちろんいる。
夫の機転・素早い行動で
更年期症状を改善できた40代女性
「妻が話す、話さないは別にして、夫の立場としては、更年期についての最低限の知識は持っておくべきではないでしょうか」と話すのは、神奈川県藤沢市にある、こうレディースクリニックの黄宗聖院長だ。
「女性が自分で『病院に行ってみよう』『病院を探そう』と判断できる状態なら、まだなんとかなるんです。更年期に詳しい医師のいるクリニックに行ってもらえさえすれば、治療法はありますから。少なくなった女性ホルモンを補充するHRT(ホルモン補充療法)もあるし、サプリメントや漢方も。また、クリニックに来て医師や看護師と話すことで『この症状で悩んでるのは、私だけじゃないんだ』『私、どっかおかしくなったかと不安だったけど、そうじゃなかった、更年期のせいなんだ』と気分的に楽になるという人も多いんです」
問題なのは更年期の症状が重く、普段通りの日常生活を送る気力がなくなってしまっている場合だと、黄院長が続ける。
「そういった場合、夫やパートナー、子どもなど、家族の理解と素早い行動が重要になってくる。実際、うちのクリニックには更年期によるうつ症状などで病院に来る気力がなくなっていた本人を、ご主人が引っ張るような形で連れてきたという患者さんが何人かいらっしゃいますよ。妻の症状をきちんとメモして、それを妻の代わりに私に話すご主人もいらっしゃいました」