貧しい村から都市部の高級住宅地に至るインド国内のあらゆる場所で、他人が捨てたごみを集めることを生業(なりわい)とする人が何百万人も活動している。彼らはラディワラ(リサイクル業者)、あるいはくず拾い、清掃人、廃棄物管理者などと呼ばれている。住宅のドアからドアへと渡り歩く者もいれば、建設現場から鉄筋や使用済みのれんがを集める者もいる。また、公園や街路を掃除する者もいる。さらには、かつら作りのためにまとめて輸出される髪の毛を専門に集める者までいる。彼らは、インドにおける250億ドル(約2兆7200億円)規模の産業のいわば出発点だ。専門度を増しつつある中間業者と処理業者を経て、ごみから最終的に新たな製品を生み出す産業のことだ。この仕事は、複合企業の資金源になると同時に、インドの最貧困層の一部が貧困から抜け出す道筋にもなる。