英領ジブラルタル自治政府が今月、米国の要請を退けて解放したイランの石油タンカーは、シリア向けに石油を運搬する小型船に積み荷を移し替える計画で、解放条件に違反する可能性がある。計画に詳しい複数の関係者が明らかにした。欧州は核合意や中東の安全保障協定を巡り、イランと米国の歩み寄りを後押ししようとしているが、瀬取りはそうした取り組みを損なうものだ。米当局は英領ジブラルタルが拿捕(だほ)したタンカーの引き渡しを求め、タンカーがイラン産原油をシリアに輸送中で、欧州連合(EU)の制裁に違反していると主張していた。だが、タンカーに積まれた200万バレルの原油をシリアに運ぶことはないとイランが言明したことを受け、このタンカーは8月18日に解放された。