共有オフィス賃貸を手がける米ウィーワークの親会社はこれまで、高成長への飽くなき追求を支える巨額投資が象徴となってきた。
だが、新規株式公開(IPO)計画のとん挫と、創業者兼最高経営責任者(CEO)のアダム・ニューマン氏の解任という事態に見舞われた同社は、ここにきて異なる現実に直面している。「資金喪失を食い止めよ」が目下の命題だ。
ウィーカンパニーは30日、IPOの撤回を米証券取引委員会(SEC)に申請する方針を明らかにした。上場を延期し、中核事業に専念すると説明した上で、「ウィーワークを何としても上場企業として運営する方針に変わりはない」と表明したが、上場時期については明言を避けた。
共同CEOに就任したセバスチャン・ガニングハム、アーティー・ミンソン両氏はコスト削減に向け、数千人規模の人員削減や非中核事業の売却に加え、昨年6000万ドル(約65億円)超で購入したプライベートジェット機「G650ER」など、ニューマン氏時代のぜいたく品を処分する計画だ。内情に詳しい関係者が明らかにした。