9月の米雇用統計は就業者数が予想を下回ったとはいえ着実な伸びを維持したが、米連邦準備制度理事会(FRB)による今月の追加利下げ観測が後退することはなさそうだ。非農業部門就業者数は前月比13万6000人増加し、予想をやや下回った一方、失業率は3.5%に低下し、50年ぶりの低水準となった。FRBは10月29~30日の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げの是非を協議するが、議論の行方に影響を及ぼす内容とはならなかった。この統計が示しているのは、世界的に成長鈍化が広がる中でも米経済は依然として耐久力を維持しているということだ。最近発表された製造業と非製造業の景況指数では景気が悪化に向かう可能性が示唆されていたが、今回の雇用統計を受け、当面こうした懸念は和らぎそうだ。