北京駅周辺
北京駅周辺の様子(2018年) Photo:Tim Franco for The Wall Street Journal

 【北京】中国の指導層はあまりに急激な人口増加に長らく懸念を抱いていた。今では正反対の心配をしている。同国の出生率は世界で最も低い部類に入るのだ。しかも、人口問題は考えられているよりも深刻であることを、最近のデータは示唆している。

 年齢の中央値が上昇するなか、退職者を支える労働者は減る一方だとの見通しが今後の中国経済に大きな影を落としている。

 1970年代には、中国の年齢中央値は米国を10歳近く下回っていた。それが上昇したため、中国政府は「一人っ子政策」(急速すぎる人口増加への懸念から80年に正式導入されていた)を2015年末に撤廃。だが期待された出生数の増加はほとんど実現しなかった。

 今年1月、中国国家統計局は18年に人口が13億9500万人に増加したと発表した。出生数は1523万人だった。この出生数は17年より200万人少なく、公式予想の2100万人を30%ほど下回る。

 一方、国家衛生健康委員会が最近公表した年鑑によると、18年の出生数はさらに低く、1362万人にとどまった。

 両機関は出生数の数え方が違う。健康委は病院のデータを使い、統計局は各地の調査から推計しているのだ。16年以降、同委の出生数推計はおおむね統計局のそれをやや上回ってきた。ところが今年、同委の数字が統計局より大幅に低かったことは注目に値する。

 健康委はデータの違いについて、流入出者の数え方が違うためだと説明したが、詳細は明らかにしなかった。統計局はファクスでの質問に回答しなかった。

 中国の政策担当者は、増加する退職者が家計貯蓄を食いつぶし、成長を妨げる脅威を十分に認識している。それでも子供の制限は残っている。夫婦は子供を2人持てるが、それが上限だ。政府は2030年からの人口減少を予想しているにもかかわらずである。

 中国政府は、技術の進歩と自動化が生産性を押し上げ、若い労働者の不足を一部補うと主張してきた。当局者は出産を奨励する措置を講じてきたが、長年の政策をあまりに急速に変えることには気が進まないと話している。