サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)に向け、号砲は鳴らされた。ただ、過去4年にわたり同社を悩ませている問題は未解決のままだ。喫緊の課題は、アラムコが主張する通りの価値があると外国人投資家を説得することだろう。一部の投資家にとっては、アラムコが最近発表した決算により、リスクが鮮明となった。1-9月期の純利益は前年同期比18%減の680億ドル(約7兆4200億円)。原油相場の振れが大きいことに加え、石油施設への攻撃で産油量が半減する事態に見舞われたことを踏まえると、収益確保への耐性を巡り、疑問符が付く。とはいえ、アラムコの1-9月純利益は、上場企業で最も収益性の高いアップルの2018年通期利益を上回る水準だ。