3位の福井県が「幸福度」以外は
30位台に沈んでいる不思議な現象も

 結果をより詳しく見ていこう。1位になった宮崎県は20代の幸福度が78.3点と日本一。30代でも福井県に次いで2位の76.1点と高かった。ところが、40代になると65.3点、50代も66.8点にまで低下する。60代は76点にまで回復するものの、全国的には上位に入っていない。つまり、宮崎県では20代~30代若者の幸福度が高いことで順位が引き上げられているようだ。

 3位の福井県は、アンケートで「とても幸せ」と答えた人が33.6%と47都道府県中、一番多かった。30代では80.3点とダントツ1位だ。しかしこの結果から気になるのは、同調査がほかに行った「満足度(35位)」「定住意欲度(34位)」「愛着度(38位)」などのランキングでは順位が低いのに、幸福度だけが上位という点だ。つまり、個人の幸福度と生活環境への満足度が異なる結果になっている。これについて、調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長はこう分析する。

「福井県は文科省が行っている小学生・中学生の全国学力テストで、常にトップクラス。それくらいの年齢の子どものいる親世代が30代であるため、幸福度が高くなっているとも考えられる。そして、もう1つの要因として考えられるのが別の幸福度調査などで『幸福度1位』の常連になっている点だ。『福井県は幸福度が高い』という長年の刷り込みによって、今回の調査でも『幸せ』と答えた人が多いのではないか」

 今回の調査でユニークなのは、福井県のように「幸福度」だけが高い都道府県がほかにもある点だ。例えば徳島県は、幸福度は4位にもかかわらず、満足度40位、愛着度38位、定住意欲度は44位だった。

「これまで他の調査で示されてきた『幸福度』は、合計特殊出生率などの客観的なデータを基にしたものが多い。今回の調査での満足度や愛着度、定住意欲度と幸福度との乖離を考えると、実際の住民の『幸せだ』という感覚とはかけ離れている可能性がある」(田中社長)

秋田県は30~40代の
働き盛り世代の幸福度が課題に

 下位についても見ていこう。今回47位だった秋田県は、満足度47位、愛着度45位、定住意欲度は47位というほかの指標でも下位になっている。さらに、当連載で取り上げた住民1人当たりの悩みの個数を聞いた「悩める住民が多い都道府県ランキング」でも、秋田県は4.26個で1位だった。

 秋田県は20代と60代で「全く幸せではない」と答えた人はそれぞれ1.5%、4.3%と少なかったが、40代では全都道府県の中でも最も多い14.4%が、30代では12.8%が「全く幸せでない」と答えており、働き盛りの世代で幸福度が低い傾向にあるようだ。

 エリア別に幸福度を見ていっても、北海道・東北は64.0点、関東は65.3点、中部67.9点、近畿67.7点、中国・四国67.0点、九州68.9点となった。このように東北地方や関東で相対的に幸福度が低い理由については、住民が感じている悩みや地域にある社会課題をつぶさに調べ、一つ一つ明らかにして、解決していくことが大切だろう。

(ダイヤモンド編集部 林 恭子)