過去1週間にわたりコロンビアを揺るがしている反政府抗議行動に参加するため、ペストリー職人のチャーリー・パラ氏(30)は、スプーンと計量カップを取り出した。これらは、普段チーズケーキやティラミスをつくるのに使っているものだ。26日夜、多くの抗議デモ参加者らは、鍋釜類をたたく騒音でイバン・ドゥケ大統領の退陣を求めていた。そしてパラ氏も彼らとともに、いなかの楽隊のカウベル奏者よろしく、ステンレス製のカップをリズムに合わせてたたいた。パラ氏は、自分の即席の楽器について「とても小さいが、とてもうるさい」と語った。コロンビアでの新たな動きは、死者まで出しているボリビア、チリ、エクアドルなどでの抗議行動に続くものだ。これら諸国の人々は、現状への怒りを公然と表明するため、食器をたたくという伝統的な手法をとっている。木製のスプーンでフライパンをたたく者もいる。圧力釜をステーキ・ハンマーでたたく者もいる。サラダ用トングは、やかんをたたくドラムスティックになる。