2015年国連サミットで採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」。以来、国や大企業がさまざまな取り組みを始め、その動きは日本全国の自治体にも及んでいる。

 しかし、SDGsはそもそも地球全体の視点で作られた目標。少子高齢化や地域の疲弊が大きな問題になっている日本各地の状況を踏まえた「住民視点」とは言いがたい。

 そこで、住民へのアンケートによって幸福度や満足度、不満や社会の課題などを聞くことで、「地域の持続性」を数値化したのが、ブランド総合研究所の実施した『市版SDGs調査2020』だ。このランキングは、ブランド総合研究所が全国の政令指定都市、中核市、県庁所在地の83市を対象に行ったもの。

 この調査では、市民生活についての評価指標である「幸福度」「(生活)満足度」、社会や居住地に対する持続性につながる指標の「愛着度」「定住意欲度」の4つの指標の平均点から総合指標「SDGs指数」を算出し、地域の持続性が高い市のランキングを作成した。それでは早速、83市の住民へのアンケートでわかった「サステナブルな自治体ランキング」を見ていこう。

※アンケートはインターネットにて実施。1万3270人から回答を得た(一部を除き各都道府県から約160人)。調査時期は2019年11月19日~12月23日。「幸福度」は、住民に「あなたは幸せですか」という問いを投げかけ、「とても幸せ」「少し幸せ」「どちらでもない」「あまり幸せではない」「全く幸せではない」の5段階から1つ選んでもらい、回答をそれぞれ100点、75点、50点、25点、0点として全回答の平均から算出。「満足度」「愛着度」「定住意欲度」も同様の方法で算出した。

1位は川越市、2位は金沢市に
サステナブルな自治体ランキング

「サステナブルな自治体ランキング」1位は、川越市(埼玉県)になった。幸福度で1位、満足度で4位、愛着度で10位、定住意欲度で13位とすべてで上位に入った。

 2位は金沢市(石川県)で、幸福度10位、満足度7位、愛着度2位、定住意欲度4位と4つの指標ともに10位以内の高い評価だった。

 3位は西宮市、4位に明石市となり、ベスト5までに兵庫県の市が2つランクインした。5位は、愛着度と定住意欲度で1位になった福岡市が選ばれた。