【武漢市(中国)】点滴をぶら下げた何人かの患者が待合室で立っている。空いている椅子がないのだ。倉庫では医療関係者用の防護服やゴーグルの数が不足していた。公共交通機関の閉鎖が続く中、熱を出した家族を病院に連れて行くためには、住民たちはワン・ホンギャンさんのように原付きバイクに頼るほかなかった。  ワンさんの夫は70歳で、衰弱しきっていた。真夜中に病院へ向かう途中、バイクから転げ落ちた。「とにかく彼の命を救いたい」。ワンさんは7日、夫の横に座ってこう語った。夫は待合室の椅子に背中を丸めて座り、点滴を受けていた。