イタリアで発生した新型コロナウイルスの感染がアルプスを越え、欧州各地へと広まっている。死者数も増える中、各国政府や企業は予防的措置としてイタリアからの出入国の制限に動く。現時点で国境閉鎖を提案している欧州連合(EU)加盟国はないが、ここ数日は検問や警戒が広まり、イタリア周辺国以外でも大規模イベントを中止するよう圧力が高まっている。ドイツのイェンス・シュパーン保健相は26日、国内での感染拡大をこれ以上抑制できないかもしれないと警告。中国まで感染経路がたどれないケースが国内で確認されているとした。ドイツの感染者数は21人で中には幼稚園の先生も含まれているため、園内感染の懸念も高まっている。ブルガリアのフラッグキャリア(国を代表する航空会社)、ブルガリア航空は、ミラノ行きの全便を3月27日まで運休。スポーツ関連のイベント開催も厳重な精査が行われ、アイルランドラグビー協会は3月7日にダブリンで実施される予定だったイタリア代表との試合を延期した。