「100年に一度の危機」からの回復局面で、日本のマーケットの出遅れ感は強いです。日本だけが取り残された感じもあり、米国株に対する日本株の割安度を見ると、2000年以降で割安最高を更新しています。

 デフレ、ダイリューション(=大量増資による株式の希薄化)、英語でDPJと略す民主党政権の政策不在を併せた「3D不況」といった言葉もあるそうで、為替の円だけはソコソコ高いものの、日本への「あきらめムード」が広がっているようです。

 しかし、もしかしたら、これは円資産にとっての「悲観の極」なのかもしれません。

通貨調整後のTS倍率が
示唆するものは?

 日本株の米国株に対する割安度ないし割高度を調べる方法として、TS倍率(TOPIX/S&P)というものがあります。これで2000年以降の日本株の割安度合いを見ると、最近にかけて、割安最高を大きく更新してきました。

 今春以降、「100年に一度の危機」から、米国株も含めて、世界的に株価が反発し続ける中で、日本株が出遅れていることを裏づけるような結果と言えるでしょう。

 ところで、このTS倍率に円の総合力を示す実効相場をかけて求めると、通貨調整されたTS倍率が求められます。

 実は、この通貨調整後のTS倍率も、日本株の割安感が大きく拡大してきたことを示しているのです。

「3D不況」で日本売りが止まらないが、円資産は「悲観の極」にあるのでは?

 足元の米ドル/円が、90円レベルという歴史的な円高値圏で推移しているのに、通貨調整後のTS倍率も、日本株の割安感の拡大を示しているというのは、株価がかなり割安になっているということなのでしょう。

 その一方で、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)だと、円安になっています。

 つまり、円の総合力となると、米ドル/円ほどの円高では必ずしもないということになります。

 ところで、この通貨調整後のTS倍率が、最近と同じ水準まで下落したのは、2000年以降で3回ありました。それは、2002年2月初め、2003年4月末、2008年8月下旬でした。

 この3回は、いずれも当面の円安ピークで、円一段高スタートのタイミングと重なっていたのです。

 これを参考にすると、現在は「円資産悲観論」のピークで、円資産見直し買いに伴う円一段高スタートが近づきつつあるといった考え方は、できないでしょうか?

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