アルミニウムの価格を
電気料金が左右する

 アルミニウムの価格上昇の仕組みを考えるために、まず、アルミニウムの製造工程を見てみよう。鉱山から取得したボーキサイトをアルミナに加工、電解工程を経てアルミニウムとなる。

 米地質調査所の2020年の推計によると、アルミニウムの原材料であるボーキサイトの世界生産量は3億7100万トン。最大生産国は豪州で年間1億1000万トン、次いでギニア(8200万トン)、中国(6000万トン)、ブラジル(3500万トン)となっている。

 ボーキサイトから生産されるアルミナは、中国が最大生産国だ。中国はロジスティックスの面で利便性が高い豪州からの輸入が多かったが、直近ではギニアからの輸入が増え、豪州からの輸入は減少している。これは豪州政府と中国政府が、華為技術問題やコロナウイルスに対する中国政府の対応に対する不満といった政治的な対立が強まったことが背景にある。

 アルミナの生産量は中国(7400万トン)が最も多く、次いで豪州(2100万トン)、ブラジル(960万トン)となっている。

 アルミニウムの主な生産国は、中国(3700万トン)、インド(360万トン)、ロシア(360万トン)となり、中国の生産シェアは56.7%に及ぶ。

 アルミナとアルミニウムは、需要国が生産している側面も強いが、それ以上に電力コストが安い国での生産が増加する傾向が強い。アルミニウムの主要生産国の中にはアラブ首長国連邦、ロシア、ノルウェー、カナダ、米国などの産油・産ガス国が名を連ねている。

 アルミニウムの製造工程を考えると、今後、どこの国でアルミニウムが生産されるかはコスト、すなわち電気料金が左右しそうだ。というのも、かつては米国が最大のアルミニウム生産国だった。しかし、米国では電力小売り自由化によって電気料金が高止まりしたため、より電気料金が安く消費地に近い中国に生産がシフトしたのだった。

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中国からの供給は鈍化?

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