まさかの逆ギレ
「女性専用車両嫌いになりました」

 さらに驚くのは、謝罪動画が公開される前にはメンバーの一人がインスタグラムのストーリーズやツイッターにアップしていた文章だ。

 「レディーファーストとか女性専用車両など嫌いになりました」、「誹謗中傷は弁護士と相談し訴訟を起こす形にします」というような内容だった。

 世にさまざまな炎上はあれど、これほど見事な逆ギレはそうそうない。

 受験での女性減点など女性差別問題がニュースになるとき、ネットの一部では「レディースデーはどうなんだ」「女性専用車両は」といった難癖が確かにお約束になっている。そもそも比較にならない話であり、「ネタ」として使い回されている感すらあるが、一部では真面目に受け止められているらしい。

 そして自分たちが加害とも言えるような迷惑行為を行っておきながら、自分たちの行為は矮小(わいしょう)化し、自分たちに向けられた批判は「誹謗中傷」と受け止める。

 彼らだけを批判しても仕方ないので、あえて言うが、これはさまざまな場面で見られる光景である。保身に偏った言動を止められるのは第三者の介入なのだろうが、監査機能がある組織でさえなかなか難しいのだから、制作から配信まで他者の手を借りずに行われるYouTuberなどの個人発信者が暴走するのは自明のこと。現在のところ、こういった炎上しか「抑止力」がないのは、良いのか悪いのか…。