世界の自動車業界はシリコンカーバイド(炭化ケイ素、SiC)を用いた半導体に巨額を投資している。シリコンバレーの名前の由来となった元素の中でもSiCは特に強力で、各社は高性能な電気自動車(EV)の製造に役立つと考えている。SiCはダイヤモンドを作り出す炭素とシリコンの化合物だ。電力を制御する半導体にSiCを使用すると、エネルギーの無駄が少なくなり、1回の充電でさらに長距離を走行できるパワフルなモーターが実現する。米EVメーカーのテスラは数年前からそれを導入している。米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は今週、半導体製造を手掛けるウルフスピード(ノースカロライナ州ダーラム本社)のSiCデバイスを採用することで合意。バイスプレジデント、シルパン・アミン氏は「EVの顧客はより長い航続距離を求めており、パワーエレクトロニクス設計において炭化ケイ素は不可欠な材料だと考えている」と述べた。