台湾に対する中国の脅威は、仮説ではなく現実だ。台湾の防空識別圏への、最近の中国軍機の侵入がそれを示している。中国政府の新たな好戦的姿勢に対抗する有効な戦略には、米国が有事の際に台湾の防衛に駆けつけるかどうかに関する「戦略的あいまいさ」を排除すること以上の内容が必要だ。台湾の地位、インド太平洋政策の中で不可欠な台湾の位置付け、世界における台湾の経済的重要性などの明確化が、有効な戦略に必要な要素となる。台湾の安全保障にとって米国の軍事的支援は不可欠だが、米国と他の諸国による強い政治的支援も必要だ。台湾が係争中の中国の一地域ではなく、主権を有し自治を行う国であると認めることが、その第一歩になる。台湾は、明確な領土、安定した人口、流通通貨や法の支配といった正常な政府機能を有しており、国際法上の国家の条件を満たしている。米国、日本、その他の国々の政府が、台湾との外交関係を樹立しその正当性を主張することは、極めて妥当なことだ。
【寄稿】台湾を国家と認めるべき=ボルトン氏
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