フェイスブックがメタ(正式名はメタ・プラットフォームズ)に社名を変更したことで同社の印象は確実に変わるだろう。しかし最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ氏の狙い通りにはならないかもしれない。私たちが人や物――企業についても言えることだが――をどう受け止めるかは名前によって決まる。赤ちゃんに名前を付けたら、たちまち名前の通りの子になったと驚いた経験は子どものいる人なら誰でもあるだろう。同じように、企業が社名を変更すれば、人が企業に対して持つ印象は変わる。社名を変えて印象を立て直そうとした企業はフェイスブックが初めてではない。しかし歴史を見れば分かるが、社名変更は大きな問題を引き起こす可能性がある。覚えやすくて簡潔な新しい社名を付けると、人々が会社について以前から気に入らないと思っていたが、これまでははっきりと説明できなかった、ありとあらゆることに具体的な形を与えることになるかもしれない。