「一時的」と言われてきたにもかかわらず、インフレは間違いなく持続的になっている。それを示す最新の証拠は、米労働省が10日発表した衝撃的な10月の消費者物価指数で、前月比0.9%、前年同月比6.2%上昇した。前年同月比の上昇率が5%を超えるのは5カ月連続だ。この物価上昇ペースは1990年以降で最も速い。米政府や連邦準備制度理事会(FRB)、ケインズ派エコノミストらが3月以降、インフレはすぐに収まると訴えてきたにもかかわらずだ。9日に発表された米卸売物価指数も前月比0.6%、前年同月比8.6%上昇した。生産者物価は、企業が市場で十分な力を持つと考えていれば、消費者物価に反映されていく。悪いニュースはこれだけではない。労働省が10日に発表した別の統計では、10月の平均時給がインフレ調整後で0.5%低下した。実質賃金は今年1月以降2.2%低下している。前例のない高水準の政府支出にもかかわらず、国民の購買力や平均的な生活水準は低下している。
【社説】米インフレと「より悪い」再建
労働者に有害な財政支出法案を葬るべきだ
有料会員限定
あなたにおすすめ