スーザン・メスコさんはクリスマスの行事にサンタクロースを手配する仕事を39年間手掛けてきたが、今年のような状況は初めてだという。9月以降、深夜も早朝も働いている。ひげを生やし、赤い衣装をまとった陽気な男性を何とか確保したい顧客から平均8分おきに電話がかかってくるからだ。これまで客の頼みをはねつけたことなどなかった。1980年代のクリスマスパーティー・ブームの時でさえだ。「2日前、ある婦人が泣きながら電話してきて、社交クラブのためにサンタが必要だと話した」とメスコさん。「婦人は『いくらでも出す』と言ったが、『それはフェアじゃない』と答えた」米国では労働市場のひっ迫により、トラック運転手やレストラン店員、小売店従業員の求人が埋まらなくなっている。サンタの求人も同じだ。派遣会社によれば、サンタの需要が高い一方で、供給は不足している。いつもならサンタ役に手を挙げる人々の一部が復帰しないためだ。その分、就労中のサンタは希少価値を生かし、時給を引き上げたりスケジュールを詰め込んだりしている。