自分が最優先する気持ちからブレない
けれど、僕はそれでも別にいいやと納得していました。
自分が納得できない指示に従って試合に出るくらいなら、ベンチで代打の出番を待つほうを選ぶぞ、と。
決して強がりではありませんでした。
なぜなら、僕は「レギュラーになるため」に野球をやっているわけじゃない。
野球が大好きで、野球が楽しいから続けているのだという気持ちはまったくブレませんでした。
野球が好きだから、ただ野球ができるだけで嬉しい。
できればチームを盛り上げるプレーをして勝てればもっと嬉しい。
ついでに試合に毎回出られたらさらに嬉しい。
レギュラーになれることは、希望の三番目くらいであって、最優先事項ではなかった。
だから、この出来事が起きた後も変わらずチームに所属し、淡々と野球を楽しんでいたのです。
小さな頃から孤独な境遇にあって、だからこそ「個」の力を早くから鍛えることができたのかもしれません。
(本原稿は、中野善壽著 『孤独からはじめよう』から一部抜粋・改変したものです)