ひろゆきが「僕はそのうち干されますよ」と語る意外なワケひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
著書『1%の努力』では、彼の「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

コンプライアンスは加速する

 テレビやYouTubeなどの規制が、どんどん厳しくなっていっていますね。

 下ネタはもちろん、デブ、ハゲ、ブス、バカ、ホモ……

 これらの言葉を「笑いのネタ」にすることはもちろん、安易に口に出すこともできなくなっています。

 男性の乳首だって映せなくなっている時代です。コンプライアンス社会は、これからも加速していくでしょうね。

「過去の行い」で謝罪する時代

 いま、この瞬間はオッケーのことでも、10年や20年後には、アウトになることがあります。

 違法行為であっても「時効」という概念があるのに、モラルに関することにはそれが通用しません。

 過去の発言や映像は、ネットタトゥーのように残ります。

 昔のインタビューや映像が掘り起こされて、「差別的な発言」や「反モラル的な発言」を見つけてこられて、それについて謝罪する。

 そんなことが、今の日本では起こっています。これから先も起こるのでしょう。

「綱渡りは、一生、続かない」

 最近、気に入っている言葉で、「綱渡りは、一生、続かない」という表現があります。

 社会で活躍するということは、モラルからハミ出ないように綱渡りして生きることを意味します。

 そして、人は人である限り、どこかで力尽きて落ちます。

 品行方正にマジメに頑張り続けることを強いられる社会ですが、それを24時間365日、死ぬまで続けられる人なんて、ほとんどいないでしょう。

 みんな、どこかで何かしらの問題を起こします。あるいは、地雷を踏んでしまいます。道を踏み外します。

アンダーグラウンドで生きるしかない?

 これから先、コンプラが厳しくなることは、不可逆的です。そうであるならば、僕のような人間は、過去の膨大なギリギリアウトな発言が掘り返されて、「こいつはけしからん!」「メディアには出すな!」となって干されて終わるだけです。

 なので、規制のギリギリを攻めつつ、メディアを利用して人前に出て稼ぎたいのなら、いまがラストチャンスかもしれません。時間の問題ですよね。

 そして、そんな社会を生き延びるために考えられる生存戦略は、2つです。

① 社会の表舞台には出ずに、地下ライブのようなアンダーグラウンドで「コアなファン」を増やす
② 社会に出て、モラル的な人として品行方正な暮らしをする「パンダのようなタレント」になる

 どちらで生きるほうがいいでしょうか。有名になりたい人、メディアで活躍したい人は、一度、方向性を考えてみてはどうでしょうか。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、38万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。