現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語った『1%の努力』は、34万部を超えるベストセラーになっている。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
愛すべき「バカたち」
バカにも2種類あります。
1つは、「考える前に行動するバカ」です。何事においても、行動が先で、やった後に問題が起こることが多く、周りが迷惑を被るような人です。いわゆる「トラブルメーカー」ですね。
「ちゃんと考えればわかるじゃん!」ということを平気でやってしまうような人です。
ただ、これも1つの才能だと思うんです。
というのも、行動の前にじっくり考える人は、それだけで満足してしまうことが多いんですよね。そのデメリットを補うのが、すぐに行動する人です。「え、もうやっちゃったの? 仕方ないな……」と言って、後からトラブルを解決してあげれば、じつは物事は前に進んでしまっているのです。
バカを排除するバカ
もう1つのバカは、「そんなバカな人を排除してしまうバカ」です。
じつは、こっちのほうが根深い問題を抱えています。
1つ目に紹介したバカというのは、逆から見ると「いい人」「憎めない人」「いるだけで楽しくなる人」という面があります。トラブルメーカーになる人は、じつは「いいことをしたい」「なんとかしたい」という動機があるから問題を起こしているだけです。
それは、起業家やリーダーの素質にも好転する可能性があるのです。トップになってビジョンを語る人間は、どこか「バカっぽさ」があるじゃないですか。「ディズニーを超えたい」とか「時価総額日本一になりたい」とか言って(笑)。
そういうバカな人を、マジメにバカだと捉えすぎると、「あいつを排除しろ」ということになったりします。しかし、それこそが日本の問題の「バカさ」だと思うのです。
バカを容認できる心を持とう
バカを排除してしまうと、途端にその組織やグループは物足りなくなるはずです。
お笑いのトリオを考えてもらうとわかりやすいでしょう。必ず1人、「ポンコツ」がいるはずです。じゃあ、そのポンコツをなくせば最強のコンビになるかというと、そうではなかったりします。
ネタが論理的な構成でまともになった代わりに、「何が起こるかわからない」というようなハラハラ感がなくなったりするからです。
会社も同じです。ビジョンをぶち上げるリーダーが追放されると、その会社は一気に魅力を失ってしまいます。
ということで、まずはバカがいることを認めてあげることが重要です。愛すべきバカを容認できる広い心を持つことです。ちなみに、僕は自分のことは「物事を考えるタイプ」と思っているのですが、これだって、そう思い込んでしまったバカな判断なのかもしれません。
僕はバカが大好きです(笑)
ただ、僕はバカが大好きです。「なぜそんなことやったんだ!」というようなバカ話は大好物です。バカのエピソードが番組で取り上げられるとゲラゲラ笑って、その人を愛おしく感じたりします。
バカを見下して「あれは、けしからん」と正義感を押し付けて堅苦しくなる世の中より、バカを受け入れる社会のほうがよっぽど楽しくて飽きないと思うのですが、みなさんはどのタイプのバカなんですかね?
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。