ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の狙いを読み解こうとすることは常に高いリスクを伴う。ウクライナ危機が深刻化する中では間違いなくそう言える。それでも、プーチン氏がなぜウクライナを侵攻する下地を整え、しかもこの時期に行っているかを理解しようとすると、霧の中からいくつかの重大な要素が浮かび上がってくる。プーチン氏がこのタイミングで行動しようとするのは、ウクライナに対する自身の影響力が弱まりつつあると痛感しているためだ。そしてプーチン氏が何ら足かせなく行動できるであろうと踏んでいる理由は他の3カ国にある。米国、ドイツ、中国だ。米独中3カ国による要因が実際にプーチン氏の背中を押しているとすれば、プーチン氏を思いとどまらせることがいかに困難であるかも浮き彫りになる。プーチン氏は自身に与えられた機会はわずかな時間であり、かつその時期は迫っていると感じているだろう。