企業の最高経営責任者(CEO)たちは「ステークホルダー資本主義」について語るのが好きだ。だが、会社を売却し、その戦利品を社員と株主で分けるという最終的な選択に直面した時、誰がお金を手にすると思うだろうか。もうお分かりだろう。「勝ち組」は株主と経営者だ。ハーバード大学法科大学院の教授らによる新型コロナウイルス流行下での買収案件に関する分析は、米企業の経営者が何を優先事項にしているかを浮き彫りにした。経営者らは公には、社員や地域社会、環境といった自社のステークホルダーが重要だと語る。その裏では買収案件を巡って交渉し、それが雇用削減や拠点閉鎖につながることを知りつつも「負け組」のための補償は要求しない。
ステークホルダー主義の幻想、実態は株主優先
米企業の経営者が優先するのは株主と自身、買収案件に関する分析で浮き彫りに
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