ロシアがウクライナの港湾都市マリウポリを包囲し、住居ビルを破壊して市民を殺害する中、1000人以上の住民が地元の芸術劇場に避難した。劇場の照明技師を務めていたエフゲニヤさんと夫で俳優のセルゲイさんは2月25日に到着し、最初の数十人を迎え入れた。「誰かが助けに行かなくてはならなかった」とエフゲニヤさんは言った。空や陸、海からの攻撃は、マリウポリの住民45万人を恐怖に陥れ、町の居住可能な建物のほとんどを破壊した。劇場は、かつてそこに劇を見に来た人の多くや家を失った人たちにとって、最後のとりでとなった。劇場にはもう電気も食料も水もなく、あるのは6カ所のトイレだけだった。エフゲニヤさんと夫はこの劇場で20年間働き、そのオフィスや通路、丈夫な壁や偽物の壁を知っていた。彼らの知識と直感が3週間近く、建物に集まった人々の日常生活を方向づけた。
マリウポリの劇場、生存者が語った避難生活
ロシア軍の爆撃で多数の死者を出すまでの3週間、住民たちは協力し合って猛攻をしのいだ
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