写真:韓国・文在寅前大統領韓国・文在寅前大統領 Photo:Pool/gettyimages

韓国の安全保障を
無防備にした前政権

 元京畿道(キョンギド)知事の金文洙(キム・ムンス)氏が国会の国政監査で「文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は金日成(キム・イルソン)主義者だ」と発言したのを受け、韓国政界の思想論争が激しくなっている。詳しくは後述するが、それは単なる思想の問題でなく、韓国の安保問題に直結している。

 北朝鮮は文在寅氏の北に甘い体質を悪用して核ミサイル開発を高度化し、核保有を不可逆的なものにした。

 平壌で行われた、南北首脳会談の際、南北の軍事合意を締結したが、これは一方的に北朝鮮を利するものであり、韓国の安全保障を危険にさらした。

 野党「共に民主党(以下、民主党)」代表の李在明(イ・ジェミョン)氏は、北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返し、安保上の懸念を高めているにもかかわらず、それを批判するより、日米韓の安保協力で対応しようとする尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の行動が親日附逆行為(反民族的行為)で屈辱的外交だと、本来北朝鮮を批判すべきところを、反日にすり替えてごまかしている。これは日本と対立することで日米韓を分断し、北朝鮮の期待に応える行為である。

 民主党は、韓国の情報機関・国家情報院のスパイ取り締まりの捜査権をはく奪し、北朝鮮のスパイ活動に対し、韓国を無防備にした。

 また、北朝鮮が仮想通貨を盗み、核開発資金として活用することへの取り締まりを妨害している。

 このように親北思想に影響を受けた革新政治家が、北朝鮮を利する行動を繰り返していることは、韓国の安保を危機に陥れるものである。親北思想を後押しする民主党の実態を正しく韓国国民が理解することは、北朝鮮の核の保有、使用を抑制するため不可欠である。