ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「セネガルってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

セネガルってどんな国?

 セネガルはアフリカ西海岸に位置し、モーリタニア、マリ、ギニアビサウ、ギニア、ガンビアと国境を接する国です。

 首都ダカールは、大西洋に突き出た半島にあり、アフリカ大陸の最西端に位置します。その岬をヴェルデ岬(フランス語ではヴェール岬)といい、カーボベルデの国名の由来になっています。

 ヨーロッパからアフリカ大陸大西洋岸に沿って南下すると、砂漠が続きますが、ダカールの年降水量は500mmを超え、植生に恵まれ、緑を意味するヴェルデと名付けられました。

 ダカールは湾曲した天然の良港で、大西洋を横断する貿易港として発展。沖のゴレ島は、奴隷貿易の拠点となり、オランダが奴隷を収容する「奴隷の家」を建設しました。後にフランスに引き継がれ、1978年に島全体が「負の遺産」として、世界文化遺産に登録されました。フランスはここに総督府を置き、フランス領西アフリカ経営の拠点としました。

 かつてダカールは、フランスの首都パリから、2週間にわたりサハラ砂漠を縦断して行われ、世界一過酷なレース「パリ・ダカール・ラリー」のゴールとしても知られました。2008年に途中のモーリタニアでフランス人観光客がテロリストに殺害され、中止されました。

 フランスの小説家サン・テグジュペリは、航空郵便パイロット時代にサハラ砂漠に墜落し、ダカールの北方サン・ルイのホテルで『星の王子さま』を執筆したといわれています。

「セネガルってどんな国?」2分で学ぶ国際社会アフリカ西部

セネガル共和国

面積:19.7万km2 首都:ダカール
人口:1608.2 万 通貨:CFAフラン
言語:フランス語(公用語)、ウォロフ語などの民族語
宗教:イスラーム95.9%
隣接:モーリタニア、マリ、ギニアビサウ、ギニア、ガンビア

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)