老後「ギスギス夫婦」「仲良し夫婦」の決定的な違い
42歳でパーキンソン病に侵された精神科医のエッセイが、韓国で売れに売れている。『もし私が人生をやり直せたら』という本だ。「自分をもっと褒めてあげようと思った」「人生に疲れ、温かいアドバイスが欲しいときに読みたい」「限られた時間を、もっと大切にしたい」と共感・絶賛の声が相次ぎ、35万部以上売れているという。
そんなベストセラーエッセイの邦訳が、ついに刊行される。男女問わず、多くの人から共感・絶賛を集める本書の内容とは、いったいどのようなものなのか? 本書の日本語版から抜粋する形で、「人生の限りある時間」の過ごし方について書かれた項目を紹介していく。
老後「ギスギス夫婦」「仲良し夫婦」の決定的な違いとは?
夫婦関係において一番の悲劇とは、お互いを知ろうとしないことです。
恋愛中は、例えば相手がどんなコーヒーが好きで、どんなファッションが好みか、どんな場所が嫌いかなど、ひとつひとつ尋ねます。毎日のように顔を合わせているのに、まだ話すことがあるのかというくらい、「食事した?」「誰と?」「何食べた?」「おいしかった?」と会話のやりとりが続きます。
ところが、結婚して1年もたつと、恋愛中にあった興味がウソのように薄れていきます。お互いが相手について知りつくしていると勘違いしてしまうからです。
まだ若かった私たちは、それぞれの仕事に追われて疲れ果て、帰宅するとまっ先に休みたがりました。それは相手も十分承知だと思っていたし、お互いのことを知ろうなんて考えもしなかった。そんな生活を続けるうちに、夫は夫なりに、私は私なりに、それぞれが不満を募らせ、しこりとなっていったのです。
ある時、夫に対する怒りがこみあげてきました。しかし、ただじっと耐えて、彼の話を聞くだけに努めました。そんなことを繰り返していたら、ある時、急に、私の夫ってこんなにおしゃべりな人だったかしらと思うほど、夫が自分のことを饒舌に語りだしたのです。
さらに数日後、信じられないことが起こりました。