ディズニーランドPhoto:Katsumi KASAHARA/gettyimages

行動制限が解除され、入国制限も大きく緩和されるなど、人々の生活は少しずつ「コロナ前」に戻りつつある。だが、一難去ってまた一難。ビジネスの世界では、円安や資材高が多くの企業を混乱のうずに巻き込んでいる。その状況下で、好決算を記録した企業とそうでない企業の差は何だったのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は、オリエンタルランド、帝国ホテルの「観光/レジャー」業界2社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

オリエンタルランドが2倍超の増収、
帝国ホテルも4割増

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の観光/レジャー業界2社。対象期間は2022年5~9月の直近四半期(2社いずれも22年7~9月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・オリエンタルランド
 増収率:121.7%(四半期の売上高1059億円)
・帝国ホテル
 増収率:41.1%(四半期の売上高92億円)

※エイチ・アイ・エスは会計方針の変更に伴い、前年同期比増減率が非開示のため、掲載を見送った。

 いずれも前年同期比で増収となった観光/レジャー業界2社だが、特にオリエンタルランドは売上高が2.2倍を超える増収率だった。

 行動制限がなくなり、訪日外国人客(インバウンド)の入国制限も緩和されたことが増収要因の一つになっているというのは明らかだが、オリエンタルランドの増収は、巧みな戦略転換が功を奏している。
 
 次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、詳しく解説する。