行動制限が解除され、入国制限も大きく緩和されるなど、人々の生活は少しずつ「コロナ前」に戻りつつある。だが、一難去ってまた一難。ビジネスの世界では、円安や資材高が多くの企業を混乱のうずに巻き込んでいる。その状況下で、好決算を記録した企業とそうでない企業の差は何だったのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は、大和ハウス工業や積水ハウスなど「住宅メーカー」業界の3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)
売上高「過去最高ラッシュ」も
利益面では明暗
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の住宅メーカー業界3社。対象期間は2022年5~9月の直近四半期(積水ハウスは22年5~7月期、大和ハウス工業、積水化学工業は22年7~9月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・大和ハウス工業
増収率:11.8%(四半期の売上高1兆2535億円)
・積水ハウス
増収率:10.6%(四半期の売上高6800億円)
・積水化学工業
増収率:8.7%(四半期の売上高3255億円)
前年同期比で増収となった住宅メーカー3社は、いずれも第2四半期累計の売上高が過去最高を更新。新型コロナウイルス感染拡大前の実績を上回り、完全復活を強く印象づけた。
四半期単位の売上高も、そろって「6四半期連続」で増収が続いている。
ただし、一見すると絶好調な住宅メーカー3社だが、実は利益面では明暗が分かれている。2社が利益面でも過去最高を記録した一方、1社だけが減益となったのだ。
3社の売り上げが好調の要因は何か。利益面で「負け組」となった1社とは――。次ページでデータを交えて解説する。