――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
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「米製造業の復活だ」。ジョー・バイデン米大統領は6日、半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)がアリゾナ州に新設する工場の建設現場を訪問し、こう述べた。そのように考えるのは時期尚早かもしれないが、米国内に拠点を設ける同社の最新の取り組みは、歓迎すべきものだ。
6日のイベントで一つ明らかになった重要な点は、TSMCの米国の主要顧客が、より先進的な半導体チップの米国での製造を支持しているように見えることだ。TSMCや韓国のサムスン電子などの企業の存在感が将来、拡大する可能性が高まっている。
TSMCは6日、アリゾナ州に第2の半導体工場を建設し、同州への投資を総額400億ドル(約5兆4600億円)に増やすことを明らかにした。
120億ドルの投資計画の下で2020年に発表された第1工場は、2024年に量産を開始する見通しだ。第2工場では、現在生産可能な半導体で最も高速な回路線幅3ナノメートルのチップを製造する。また、当初5ナノメートルチップを製造予定だった第1工場を改良し、4ナノメートルチップを製造する予定だ。アリゾナ州の両工場では合計で年間60万枚のウエハー生産が可能になり、当初計画していた同州での生産能力は2倍に増える見通しだ。