2022年最大のサプライズは、ウクライナがロシアの軍事機構に恥をかかせたことだ。ロシアの最初の攻撃に対抗した後、ウクライナの市民軍は北東部と南部で反転攻勢に出て、失われた領土を一部回復さえした。コメディアンからウクライナの大統領になったウォロディミル・ゼレンスキー氏はカリスマ的な戦争指導者となった。歴史家は、このロシアとウクライナの戦争について、1991年に予想外に起きたソビエト連邦の平和的な終焉(しゅうえん)の名残だと言うかもしれない。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナの独立と主権を決して認めてこなかった。この戦いと自身の立場を、ロシア史の流れの中で捉えている。70歳を迎えたプーチン氏は、ウクライナが完全に西側に入ってしまう前に大ロシアを復活させる決意を固めている。昨年末、米国の使者がプーチン氏に攻撃しないよう警告したところ、同氏は「他に選択肢があるか」と答えたと、ある米情報当局者は筆者に語った。抵抗に遭えば、プーチン氏は攻勢を強めるだろう。
2023年のウクライナ戦争、西側が決断すべきこと
ロシアのプーチン大統領は「意志の戦い」になお勝利すると考えている
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