テスラ株の空売り筋はようやく、いくらか報われたという気分を味わっている。イーロン・マスク氏率いる米電気自動車(EV)メーカー、テスラの株式は、ここまで何年も空売り筋に煮え湯を飲ませてきた。だが金融情報分析会社S3パートナーズのデータによると、2022年は空売りによる利益が総額150億ドル(約2兆円)に上った。テスラの株価は20日に8.1%下落し、年初からの下落率は61%に達した。金利上昇下で投機性の高い株式が大きく値崩れしていることが足かせとなった。また、ツイッターを買収したマスク氏がテスラに十分注力していないとの懸念も高まっている。テスラに否定的な向きにとって、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を物ともせず同社株が20年前半から大きく上昇してきたことは意外だった。だが足元の変調で、さぞ留飲を下げていることだろう。